2025年6月、三菱UFJグループが新たな金融サービス「エムット」を開始し、そのサービスの一つとして新ポイントアッププログラムが登場しました。
対象店舗で最大20%ポイント還元という内容で、明らかに三井住友カードの「Vポイントアッププログラム」を意識したものとなっています。
本記事では、「エムット」の全体像、最注目のポイントアッププログラムの内容、そして三井住友カード(OLIVE)との比較や併用戦略について、大手金融機関出身のファイナンシャルプランナーである管理人の視点から、わかりやすく解説します。
三井住友カード(OLIVE)と併用すべき?
<結論>併用すべき
管理人の結論は、「三井住友カード(OLIVE)と三菱UFJカード(エムット)を併用すべき」です。
- ポイントアップの対象となるスーパー(OK・ハナマサ・東急ストアなど)を日常利用する方
- ポイントアップの対象 かつ 三井住友カードのポイントアップ対象外の飲食チェーン(スシロー・松屋・ロッテリアなど)をよく使う方
- 三菱UFJグループのサービスを既に利用している方(給与口座、証券口座など)
ついに、三菱UFJ銀行が動き出した

2025年6月、国内最大手の三菱UFJ銀行が、「エムット」という新サービスを開始しました。
三菱UFJ銀行をメインバンクとして利用している筆者としては、三井住友銀行がポイント戦略では先行していたけど、「いよいよ三菱も動き出したかー」という印象です。
一般ユーザーにとっての一番の目玉は、やはり三井住友銀行を意識した「ポイントアッププログラム」でしょう。
併用すべき理由
管理人は、三井住友カードゴールド(NL)をメインカードとして利用しています。
このカードの最大の魅力は「Vポイントアッププログラム」で、コンビニや飲食店で最大20%のポイント還元を受けることができます。さらにSBI証券との連携により、クレカ積立でもVポイントが貯まる点も魅力。貯まったVポイントで株や投信を買うことで、効率的に資産形成を行うことができます。
「エムット」のファーストインプレッションは、正直なところ、三井住友カードをメイン利用している筆者にとっては、似たものを追加しても使い分けが面倒そうだな、というくらいでした。
とは言え、国内最大手の三菱UFJ銀行が、後発として満を持して開始した新サービスということもあり、細かい内容まで確認した結果、管理人としては「三井住友カードと併用がベスト」という結論に至りました。
最も魅力的な点は、ポイントアッププログラムの対象店舗について、日常の生活動線で使用するスーパーが対象となっていることです。これは三井住友カードにはない大きなメリットとなります。
また、三菱UFJ銀行をメインバンクとして利用している管理人としては、わざわざ使わないような銀行口座を開設しなくても、還元率アップの条件を満たせることも好材料でした。
逆に、三井住友銀行をメインバンクにしている方や、三井住友カードのポイントアッププログラムの対象店舗で十分だと思う方は、あえて併用する必要はないかと思います。
「エムット」とは?
エムットは、三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)が2025年6月に開始した新しい金融サービスブランドです。
従来の「三菱UFJ銀行アプリ」が全面リニューアルされ、銀行・カード・ポイント・投資までをひとつのアプリでまとめて使えるようにした“金融のスーパーアプリ”と言えます。
- 銀行・カード・投資をアプリ1つに集約
- 対象店舗でのポイント高還元(最大20%)
- ポイントはWallet(現金感覚)or Amazonギフトで活用可
主なサービス内容
①支払う(決済)
- 三菱UFJカードやApple Pay(QUICPay)を利用して日常の支払いに。
- 貯まったポイントは「グローバルポイント Wallet」にチャージしてVisaタッチで利用可能。
②ためる(ポイント)
- 新しく始まった「ポイントアッププログラム」で、対象店舗(ハナマサ・松屋・スシローなど)を利用すると最大20%還元。
- Amazonギフトカードや他社ポイントにも交換可能。
③ふやす(投資)
- eスマート証券でのクレカ積立や、ロボアド「WealthNavi」との連携で資産運用もアプリ内で完結。
④そなえる(ライフサポート)
- 相続サービス「そうぞくガイド」など、銀行グループならではのライフイベント支援も用意。
ポイントアッププログラムの概要

エムットのサービスのうち、最大の注目は「②ためる(ポイント)」のポイントアッププログラムです。
三菱UFJカードを利用して対象店舗で決済すると、最大20%のポイント還元を受けられます。

三菱UFJカードの種類
ポイント還元を受けるためには、三菱UFJカードで決済をする必要があります。
カードは以下の3種類から選択することができます。
年会費 | 家族カード | 国際ブランド | 特徴 | |
---|---|---|---|---|
三菱UFJカード(一般) | 永年無料 | 永年無料 | VISA・Mastercard・JCB・AMEX | 月10万円以上の利用で還元率1.2倍 |
三菱UFJカード(ゴールドプレステージ) | 11,000円(初年度無料) | 無料 | VISA・Mastercard・JCB・AMEX | 月10万円以上の利用で還元率1.5倍、国内主要空港のラウンジ無料 |
三菱UFJカード(プラチナAMEX) | 22,000円 | 1枚目無料、2枚目以降3,300円 | AMEXのみ | 月10万円以上の利用で還元率1.5倍、コンシェルジュやホテル利用など豪華特典が豊富 |
三井住友カード(OLIVE)と併用される方や、他のメインカードを持っている方は、無料の「一般(スタンダード)」がおすすめ。
ポイントアッププログラム(最大20%)の対象店舗
三菱UFJカードの対象店舗は、生活に欠かせないスーパーが対象となっている点が最大の特徴です。(ただし後述のとおり、ポイントアップの付与対象となる利用金額の上限は5万円であることに注意)
コンビニ・自販機・飲食店

②スーパー

※当記事記載の対象店舗は2025年6月時点のものであり、予告なく変更または追加となる場合があります。最新の情報は、三菱UFJカードの公式HPでご確認ください。
(参考)三井住友カードのポイントアップ対象店舗

三井住友カードの対象店舗は、コンビニ、ファミレス、カフェのラインナップが充実しています。
対象店舗は今後随時変わっていく可能性があります。三菱UFJ銀行は最大手行として、対象店舗を今後拡大していけるかにも注目したいところです。
ポイントの利用方法
三菱UFJカードを利用すると、「グローバルポイント」が貯まります。
三井住友カードは「Vポイント」なので、現時点ではポイントの使い勝手の観点では、三井住友に軍配があがりそうです。
「グローバルポイント」主な利用方法は、以下の通り。
グローバルポイント Walletにチャージ
- 1ポイント=5円換算でWallet残高にチャージ可能。
- Visaのタッチ決済として使えるため、ほぼ現金感覚で利用できます。
- 毎月10日に利用額の0.5%が自動キャッシュバックされる特典あり。
Amazonギフトカードや他社ポイントに交換
- Amazonギフトカード、dポイント、Ponta、WAONなどに交換可能。
- 基本は1ポイント=5円相当。
- Amazonをよく使う人はシンプルで便利。
請求充当
- カード利用代金に充当することも可能。
- ただし交換レートはWalletやギフトカードよりやや不利なことも。
商品交換
- 家電や日用品などのカタログ商品と交換可能。
- ただし実質的な還元率は低めなので、あまりおすすめはできません。
👉 「Walletチャージ」か「Amazonギフトカード交換」が現金感覚で使えるのでおすすめ
三井住友カード(OLIVE)との併用戦略
管理人は、三菱UFJと三井住友の両方の銀行口座を持っています。資産を管理しやすいように、クレジットカードの引き落とし先は、メインバンクの三菱UFJ銀行にまとめています。
その上で、三井住友ゴールドカード(NL)と三菱UFJカード(一般)は、以下のように使い分けています。
メインカードは三井住友ゴールドカード(NL)
- 普段使いで利用(迷ったらコレ)
- セブン、ローソン、ドトール、マクドナルドなどのポイントアッププログラム(最大20%)を活用
- 年間100万円利用は達成済みなので、年会費永年無料(空港ラウンジなどのゴールド特典をずっと利用可)
- 貯めたVポイントは、SBI証券でインデックス投信購入(ポイントで資産形成)
サブカードは三菱UFJカード
- 三井住友カードでは対象外のスーパー・飲食チェーン(OK・ハナマサ・松屋・スシローなど)で利用
- グローバルポイントは、WalletチャージやAmazonギフトで生活費削減に活用
店舗での利用方法
複数のクレジットカードを使い分ける場合、使い勝手の良さも重要です。
iPhoneのWalletアプリに両方のカードを登録しておけば、iPhoneのみで簡単に決済が可能です。
- 三井住友カード ゴールドNL
- 利用時は「クレジットタッチで」
- Visaタッチ決済が対象店舗でそのまま高還元
- 三菱UFJカード
- 利用時は「クイックペイで」
- 注意点として、iPhoneでタッチ決済する場合は「QUICPay」でないとポイントアップの対象となりません(三井住友カードのようなクレジットのタッチ決済は対象外)
- なお、券面のタッチ決済(非接触)もポイントアップの対象となります
👉 両社で決済の仕組みが異なるので少し慣れが必要。決済時の操作は同じ(iPhone右側ボタンのダブルクリック(wallet呼び出し)でカードを選択)ですが、三菱UFJカードを使うときは「クイックペイで」と言うのを忘れずに。(統一してほしかった…)
注意点
三菱UFJカードのポイントアッププログラムは、三井住友カードを意識した作りとなっているので、大体の仕組みは同じです。
一方で、細かい仕様面で違いがありますので、特に三井住友カードを使い慣れている方にとって、注意が必要な点を2つご紹介します。
①スマホのタッチ決済は「QUICPay」で
- 三菱UFJカード(エムット)のポイントアッププログラムで還元を受けるには、「QUICPay経由」で支払う必要があります。iPhoneにカードを登録すれば自動的にQUICPayとして利用可能。
- 店頭では「クレジットで」ではなく、「クイックペイで」と伝える。
- 券面カードを直接タッチしてもポイントアップの対象となります。
②ポイントアップの付与対象となる利用金額上限は「月5万円」
- ポイントアップの付与対象となる利用金額の上限は5万円です。
- 5万円を超えた部分は通常の0.5%還元に戻ります。
例:<還元率10%の場合>6万円利用 → 5万円分は10%(5,000円相当)、残り1万円は0.5%(50円)。 - 夫婦で家族カードを発行しても、本会員と合算で5万円となるので注意。
その他にも、 ポイント還元には各種条件・注意事項がありますので、必ず三菱UFJカードの公式HPで詳細をご確認ください。
まとめ
三菱UFJカード(エムット)は、スーパーや飲食チェーンで最大20%還元が受けられる新たな選択肢。
両者で対象店舗が異なるため、三井住友カードとの二刀流で、日常の支出をさらに効率よくポイントに還元できます。
- ポイントアップの対象となるスーパー(OK・ハナマサ・東急ストアなど)を日常利用する方
- ポイントアップの対象 かつ 三井住友カードのポイントアップ対象外の飲食チェーン(スシロー・松屋・ロッテリアなど)をよく使う方
- 三菱UFJグループのサービスを既に利用している方(給与口座、証券口座など)
注意点は「QUICPay」での支払いと、ポイントアップの付与対象となる利用金額上限は「月5万円」。
「エムット」はまだ開始したばかりのサービスであり、順次サービスの追加が予定されています。三菱UFJは国内最大手で資金力・ネットワークも豊富なので、さらなるサービス拡充に期待したいですね。
